キャッシングとは?審査の特徴や借入・返済方法について解説
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借入を検討している人の中には「キャッシング」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。
キャッシングとは現金の借入をおこなうことを指します。キャッシングができるサービスとして「カードローン」「クレジットカードのキャッシング機能」が代表的です。
本記事では、キャッシングの基本的な概要から借入・返済の特徴、審査の仕組みについて解説します。借入ができるサービスを検討している人はご覧ください。
キャッシングとは「お金を借りられるサービス」の総称
キャッシングとは
現金の借入をおこなうことを指します。キャッシングができるサービスとして「カードローン」「クレジットカードのキャッシング機能」が代表的です。
お金を借入する行為や特定のサービスについても「キャッシング」と呼ばれる場合があります。このように、キャッシングはさまざまな意味で使われています。
また、キャッシングの他にもカードローンやリボ払いなど、借入に関する用語はいくつかあります。それぞれの意味を理解しておくと各サービスへの理解もより深まるでしょう。
キャッシングの種類
- カードローン
- クレジットカードのキャッシング機能
- フリーローン
借入・返済方法や融資の条件などは各サービスごとに異なります。そのため、商品ごとの特徴を理解し、自分に合ったキャッシングサービスを選択してください。
①カードローン
カードローンとは、ローン専用のカードやアプリを使って借入ができる商品です。ATMから現金を引き出す方法と、WEBやアプリから振込を依頼する方法などで借入ができます。
契約時に定められた利用限度額の範囲で自由に借入できます。
キャッシング方法としては、ローンカードやアプリを使ってATMから現金を引き出す方法と、WEBやアプリから手続きをおこない指定口座に振込する方法があります。また、返済方法はカードローンを提供する会社によって異なりますが、リボ払いが一般的です。
②クレジットカードのキャッシング機能
クレジットカードに設定されている「キャッシング枠」を利用して借入ができる機能のことを指します。クレジットカードに付与された利用限度額には「ショッピング枠」及び「キャッシング枠」の2つがあります。
クレジットカードには「総利用枠」と呼ばれる枠があります。総利用枠とは、クレジットカード全体の利用限度額のことです。すでにショッピング枠の利用額が多い人は、希望キャッシング額を借りられない可能性が出てきます。
借入方法は、カードローンと同様にATMや振込による借入が利用できます。また、返済時にはカードローンとは異なり、一括払い、分割払い、リボ払いなど、任意の方法を選択可能です。
③フリーローン
フリーローンとは、資金用途が自由である点はカードローンやクレジットカードキャッシングと変わりませんが、カードローンやクレジットカードのキャッシング機能とは異なり、一括で現金を借入します。
元銀行員・賀川
カードローンやクレジットカードのキャッシング機能では限度額の範囲で自由に借入や返済ができるのに対し、フリーローンでは契約時に借入希望額が全額融資されます。そのため、フリーローンは一度にまとめてお金が必要になった場合に役立つでしょう。
また、フリーローンの返済はリボ払いではなく、契約時に決めた回数で支払いをおこなう分割返済が用いられます。返済期間は借入額や金融機関によって異なりますが、5年〜10年など長期の返済期間に対応している商品も多くなっています。
キャッシングのサービスを提供している会社
消費者金融 | 主にカードローンを提供している |
銀行 | カードローン、フリーローンを提供している |
信販会社 | 信用をもとに商品代金を立て替えてあとで請求する事業をおこなっている |
提供するサービスが異なるだけでなく、借入の条件や特徴も異なっています。それぞれの会社で提供するサービス内容を理解しておくと、自分に適したキャッシング方法が利用できるでしょう。
①消費者金融
消費者金融とは、個人向けの融資をメインに取り扱う貸金業者です。会社の規模によりカードローンやキャッシングを提供しており、一部の中小消費者金融ではフリーローン型の商品も取り扱っています。
元銀行員・賀川
消費者金融は「貸金業法」という法律に基づいてサービスを提供しています。業務をおこなうためには、財務局や都道府県に「貸金業者」として登録を受けなければいけません。また、総量規制や信用情報機関への情報提供など、審査に関してさまざまな規制があります。
消費者金融のキャッシングにおいては、審査時間が短い傾向にある点が特徴です。たとえば、アコムやアイフルなどの大手消費者金融では、最短20分で審査が完了し融資も可能なため、即日で借入できる可能性があります。
②銀行
銀行は預金、融資のサービスを取り扱う金融機関です。主に住宅ローンやカーローンなどの目的別ローンメインとして提供しています。
銀行のキャッシングサービスは他社と比べて、金利が低い傾向にあります。たとえば、消費者金融のカードローンの設定金利の上限は年18.0%前後のものが多いですが、銀行カードローンの設定金利の上限は年15.0%前後で提供されている場合があります。
元銀行員・賀川
銀行では貸金業法の影響を受けないため、消費者金融とは審査の特徴が異なります。たとえば、総量規制のような借入金額の規制を受けないため、それぞれの銀行で独自の基準が設定されている点が特徴です。
また、銀行のキャッシング審査では、保証会社の保証を受けることが条件としている場合が多いため、2社の審査に通る必要があります。
保証会社とは
借入の返済が困難になった場合に契約者に代わって返済をおこなう会社のことです。契約者の代わりに返済することを「代位弁済」と呼び、代位弁済がおこなわれた後は保証会社が貸主となります。
保証会社の保証が必要なこともあり、消費者金融に比べて審査に時間がかかる傾向があります。また、土日祝日の審査に対応していない場合もあるため急ぎの人は注意が必要です。
③信販会社
信販会社とは、商品の代金立替払いやクレジットカード、各種ローンを取り扱う貸金業者です。主に以下の業務をおこなっています。
名称 | 提供するサービス・業務内容 |
---|---|
個別信用購入あっせん | ショッピングローン ショッピングクレジット(分割購入) |
包括信用購入あっせん | クレジットカード |
各種融資・ローンの提供 | カードローン フリーローン 目的別ローン(マイカー、教育など) |
保証業務 | 他社の融資を保証する業務 |
決済保証 | 家賃の支払保証 リース契約の保証 分割払いの保証 |
信販会社では、クレジットカードやカードローンを提供しています。また、保証会社として銀行ローンの保証業務をおこなっている場合もあります。
信販会社は消費者金融と同じく「貸金業法」の規制を受けている点が特徴です。そのため、審査や融資条件が消費者金融と類似している傾向にあります。
キャッシングの審査で確認されるポイント
キャッシングの審査では「返済能力の有無」という点を主に確認します。具体的には「属性情報」「信用情報」「在籍確認」の3つの観点から審査がおこなわれるので理解しておきましょう。
また、審査ではそれぞれの項目ごとに点数を振り分けて、合計点数で審査の可否を判定するスコアリングシステムという方法が用いられます。そのため、さまざまな審査項目から総合的に判断されているといえます。
審査ポイント①属性情報
申込者の返済能力や借入可能額を判定するために必要な項目が「属性情報」です。
属性情報とは
年齢や年収・勤務先など、本人の返済能力に関わる個人情報のことを指します。カードローンやクレジットカードの限度額を決める際にも属性情報が用いられます。
具体的な属性情報としては、以下の項目が挙げられます。
年齢 | 申込時の年齢によって、返済可能期間や将来の収入予測などが確認される |
年収 | 借入希望額とのバランスや法律に違反していないか審査をおこなう |
職業 (雇用形態) | 正社員や個人事業主、パートアルバイトなどの項目。収入の「安定性」を判断するために確認される |
勤務先の規模 | 勤務先の企業規模や業績等により、収入に安定性があると判断される場合がある |
勤続年数 | 勤続年数が長いと収入の安定性が認められやすい |
同居家族の人数 (扶養者の数) | 同居家族に収入があると生活費等を分担できるため、返済能力が高いと認められやすい。一方で扶養者が多ければ生活費も多額になりやすいため、審査に影響する可能性もある |
家賃支払額、住宅ローン支払額 など | 毎月発生する固定費であり、支払額が大きいと返済能力に影響する |
上記の項目の中でも年収や職業などの情報は、他の項目に比べて重要な項目として判断される傾向にあります。
審査ポイント②信用情報
過去の実績から返済能力を判断するための項目として「信用情報」の調査がおこなわれます。
信用情報とは
クレジットカードやローンの利用に関する情報のことで、契約内容や過去の支払状況など客観的な取引事実が登録されています。なお、返済に遅れた場合は最低5年は信用情報として登録されます。
なお、カードローンやクレジットカードの支払いを滞納すると、金融機関から「返済の意思がない」と判断されて残高の一括請求やサービスの強制解約といった措置を取られます。また、信用情報機関に事故情報と掲載され、そうなった場合は、新たなローンやクレジットカードの契約を結ぶことが限りなく難しくなるため注意しましょう。
信用情報の審査では、他社の借入額・返済の実績を中心に調査されます。信用情報から他社の借入額を調査し、新規借入額との合計して返済に問題ないかどうかを判断します。また、過去に滞納した事実が登録されている場合、審査結果に悪影響を及ぼすため注意が必要です。
キャッシングの審査では、以下の信用情報機関に照会をおこないます。
信用情報機関 | 加盟会社の例 |
---|---|
株式会社シー・アイ・シー(CIC) | 貸金業者 |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | 貸金業者 |
全国銀行個人信用情報センター(JBA) | 銀行 |
特に、全国銀行個人信用情報センター(JBA)は銀行や信用金庫などの金融機関が加盟する信用情報機関です。そのため、銀行のカードローンやフリーローンを申込する場合にはJBAの信用情報について確認されます。
審査ポイント③在籍確認
申告された勤務先の情報が正しいかどうかを「在籍確認」によって調査します。
在籍確認とは
申込者が申告した勤務先に本当に勤めているのかを電話や書類で確認する審査項目です。
万が一申込者が虚偽の申告をしていると、返済能力を正しく判断できません。そのため、在籍確認をおこなうことで、申告された収入が正しいものかを調査しています。
元銀行員・賀川
在籍確認は、勤務先への電話連絡でおこなわれる場合もあれば、書類の提出でおこなわれる場合もあります。仮に電話連絡であった場合でも、原則として利用者に事前告知がされたうえで実施され、プライバシーに配慮してキャッシングだと分からないようにおこなわれます。在籍確認の電話で、周囲にキャッシングの事実が知れ渡る可能性は低いでしょう。
キャッシングを利用するメリット
- 最短即日融資に対応している
- 資金の使い道は原則として自由
- ATMやアプリで手軽に手続きができる
- サービスによっては海外でも利用できる
キャッシングは借入までの手続きの早さや手軽さという点で優れています。そのため、すぐにお金を借りたい人などはキャッシングが役立つでしょう。
①最短即日融資に対応している
キャッシングでは、申込から借入までを最短即日で完了できる会社があります。たとえば、大手消費者金融のカードローンは最短20分で審査が完了するため、当日中に借入できる可能性があるのです。
また、カードローンやクレジットカードのキャッシング機能の場合、契約完了後は利用限度額の範囲内で自由に借入や返済が可能です。
そのため、一度返済が完了した後でも再度借入が必要な場合にすぐ利用できる点がメリットです。
②資金の使い道は原則として自由
キャッシングの場合、資金の使い道が原則として自由な商品がほとんどです。たとえば、旅費や交際費、生活費など、さまざまな使い道に利用できます。
また、複数の使い道に利用できるため、万が一に備えて借入できる点がメリットです。
ただし、使い道が自由なキャッシングであっても、利用できない使い道があるため注意が必要です。たとえば、ギャンブルや投資資金として借入することはできません。また、事業をおこなうための資金は専用の事業者向けのキャッシングを利用する必要があります。
③ATMやアプリで手軽に手続きができる
キャッシングサービスは、ATMやアプリ・WEBから手軽に借入の手続きができます。場所を選ばずに借入の手続きをおこなえるため、店舗に出向く必要がありません。
たとえば、スマホがあればアプリを利用して指定の口座に振込依頼も可能ですし、提携ATMにて借入や返済がおこなえます。
状況に合わせてさまざまな選択肢から利用が可能な点はメリットと言えます。
④サービスによっては海外でも利用できる
海外のATMがキャッシングに対応していれば、現地で借入できる点もメリットです。
海外のATMを利用できるのは、主にクレジットカードです。カードの国際ブランドがATMに対応している場合は、現地の通貨で借入できます。
そのため、海外旅行・出張のタイミングで現金が不足した場合にも役立つでしょう。
キャッシングを利用するデメリット
- 利息が高額になりやすい
- 借りすぎてしまう場合がある
①利息が高額になりやすい
キャッシングする際には、各金融機関が設定した金利に基づいて計算された利息を支払う必要があります。
利息 = 借入元本 × 金利 × 借入期間 ÷ 365日(うるう年は366日) |
なお、金融機関が設定する金利は、利息制限法によって以下のように上限が定められています。
上限金利を超えないよう、各会社でそれぞれ独自に金利が設定されています。借入金額が大きいほど上限金利は下がりますが、キャッシングの場合は上限金利付近で設定される場合が多いです。
金利や借入金額、期間が長いほど支払う利息が多くなる点には十分注意しましょう。たとえば、金利18.0%(年率)のカードローンで50万円を30日間借りた場合の利息は7,397円です。同じ条件で金利が15.0%(年率)だと利息は6,164円にまで減少します。
そのため、キャッシングを検討する場合には設定金利についても確認しておく必要があるでしょう。
②借りすぎてしまう場合がある
クレジットカードやカードローンでキャッシングする場合、限度額まで自由に借入できるため、借りすぎてしまう可能性があります。
借入金額が多くなると支払う利息額も増加し、返済総額も増加します。さらに、借入期間が長くなるため、完済まで時間がかかりやすいというデメリットも考えられます。
突発的な借入ではなく、計画的にキャッシングを利用することが重要です。
キャッシングの申込から借入までの流れ
申込
必要書類の提出
審査
契約・借入
これらの手続きは申込当日〜数日程度で全ての手続きが完了します。それぞれの流れについて理解しておきましょう。
①申込
キャッシングを利用するためには、最初に申込手続きが必要です。具体的な申込方法は会社によって異なりますが、代表的な例は以下のとおりです。
代表的なキャッシングの申込方法
- WEB
- スマホアプリ
- 店頭窓口
- 自動契約機
- 郵送
- 電話
上記の中でも、WEBやスマホアプリによる申込は審査時間が短い傾向にあります。また、自宅から手続きできるため手軽さもメリットといえるでしょう。
WEB申込では、氏名、性別などの基本的な情報や勤務先情報、収入や他社借入額などを入力することで手続きが完了します。
②必要書類の提出
申込手続きの完了後、必要書類を提出します。キャッシングの申込に必要な書類は以下の2点が挙げられます。
ただし、収入証明書類については借入金額などの条件によって提出が不要な場合があります。貸金業法が適用される消費者金融・信販会社では、次の2つのうちどちらかに当てはまる場合は提出しなければいけません。
貸金業法による収入証明書類の提出基準
- 借入金額が50万円を超える場合
- 他の貸金業者からの借入分も合わせて合計100万円を超える場合
なお、銀行では上記のような基準は適用されません。しかし、独自の基準を設定しているため、申込前に確認しておくことが望ましいです。
必要書類の提出方法
必要書類の提出方法は申込方法によって以下のように異なります。
申込方法 | 書類の提出方法 |
---|---|
WEB・スマホアプリ | 書類を撮影してアップロード |
店頭窓口 | 店頭で提出 |
自動契約機 | 自動契約機で書類を読み取る |
郵送 | 書類のコピーを郵送 |
電話 | WEBから書類をアップロード |
特に、WEBやアプリの申込では、スマホで書類を撮影してアップロードすることで提出できます。ただし、書類をアップロードする際は不備の無いよう注意が必要です。
上記のように必要な情報が不鮮明のまま提出してしまうと再提出を求められる場合があります。再提出になると審査時間の遅れにもつながるため、書類全体がはっきりと見えるよう撮影しましょう。
③審査
申込手続きと書類の提出が完了すると、審査がおこなわれます。審査時間については会社によって異なりますが、早ければ最短20分で審査結果が通知されます。
元銀行員・賀川
消費者金融の審査は最短20分程度でおこなわれます。しかし、各社には審査対応時間があるため、遅い時間の申込であった場合には対応が翌営業日以降になる可能性があります。急ぎで融資が必要な場合は、できるだけ早い時間に申込手続きを済ませましょう。
また、審査中に申込内容や提出書類の不備が確認された場合には、再提出や再申込が必要になる可能性があります。特に急いでいる際には、ミスの無いように手続きを進めることが重要です。
カードローン名 | 最短融資時間※ |
---|---|
アイフル | 最短20分 |
アコム | 最短20分 |
プロミス | 最短3分 |
レイク | WEBなら最短25分 |
※申込時間や審査の状況により希望にそえない場合があります
④契約・借入
審査に通ると契約手続きをおこないます。契約が完了後に借入が可能になります。
カードローンやクレジットカードのキャッシングの場合は、契約完了後いつでも借入手続きができます。フリーローンの場合は契約締結後に借入金が振込されます。
具体的なお金の借り方
ATMで現金を引き出す | クレジットカード、ローンカード、スマホアプリが利用可能 |
指定の銀行口座に振込を依頼する | WEBやアプリ、電話等から申請可能 |
ATMと指定口座への振込による借入では、対応時間などが異なります。そのため、それぞれの特徴を理解し、自分にあった借入方法を選択するようにしてください。
なお、ATMと指定口座への振込依頼が利用できるのは、クレジットカードのキャッシングとカードローンに限られます。フリーローンの場合は契約時に一括で指定口座に入金されるため、借入方法を選ぶことはできません。
借入方法①ATMで現金を引き出す
- ローンカード
- クレジットカード
- 専用アプリ(スマホATM)
ローンカードやクレジットカードのように、専用のカードを使って借入する方法が一般的ですが、一部のカードローンではスマホアプリで借入をおこなう「スマホATM」が利用できます。
スマホATMは主に大手消費者金融のカードローンで利用できます。セブン銀行やローソン銀行のATMに表示されているQRコードをアプリで読み取るだけで手続きができます。
ATMを利用した借入は、現金を直接引き出せる点が特徴です。一方で、利用するATMによっては利用手数料が発生する場合があるため注意しましょう。
借入方法②指定の銀行口座に振込を依頼する
指定口座への振込依頼は、WEBやスマホアプリから手続きをおこなうことで、希望の借入金額が入金される方法です。現金ではなく口座へ振込融資という形式で借入するため、光熱費や各種引落の代金が不足する場合に役立ちます。
また多くの場合、振込の場合は手数料が発生しません。そのため、ATMでの利用手数料を抑えたい場合には振込融資が有効です。
振込融資のデメリットとして、手続きのタイミングによっては、入金までに日数や時間がかかる点が挙げられます。たとえば、夜間に手続きをおこなった場合は翌日以降の振込となる場合もあるため、急ぎで現金が必要な場合には向いていません。
キャッシングの返済方式とは
約定返済 | 指定日に返済する方法 |
随時返済 | 指定日以外に任意で返済する方法 |
なお、返済方式によって支払うタイミングや金額が異なる点に注意が必要です。
返済方式①約定返済
約定返済とは、決められた日に決められた金額を返済する返済方法のことです。たとえば、毎月20日に2万円を返済するという契約内容で返済する方法が約定返済に該当します。
約定返済の中でも支払い回数や支払金額によって次の3つの方法に分類されます。
一括返済 | 借入金と利息を全額支払う方法 |
分割返済 | 借入金と利息を返済回数で分割して支払う方法 |
リボ払い | 借入金額に関わらず、決められた金額を支払う方法 |
利用する借入先や商品によってどの方法で約定返済をおこなうかは異なります。そのため、キャッシングを選ぶ際には約定返済の方法にも注目することが望ましいです。
一括返済
一括返済とは、一度に借入残高+利息を全額支払う方法です。主にクレジットカードのキャッシングやカードローンで利用できます
一括返済のメリットは、他の返済方法に比べて支払う利息が少ない点にあります。借入期間が短くなるため、利息を最小限に抑えられます。
一方で、一度の返済負担が大きくなる点がデメリットです。借入金と利息を全額支払う必要があるため、まとまった資金を用意しなければいけません。
元銀行員・賀川
一括返済は借入残高が少額である場合やボーナスの直前であれば活用しやすく、また、支払利息額を最小限に抑えられるので、適切なタイミングで検討すると良いでしょう。
分割返済
分割返済とは、約定返済以外の任意のタイミングで返済する方法で、随時返済とも呼ばれます。約定返済は必ず支払う必要があるのに対し、随時返済は任意でおこなう返済となります。
フリーローンを利用した際は分割返済が一般的です。契約時に返済回数を決めることができるので、自分の状況に合わせ返済金額や期間を調整できます。
元銀行員・賀川
フリーローンのような分割返済が採用されているキャッシングでは、毎月の返済金額から返済回数を決めると良いでしょう。自分が無理なく支払える金額に沿った返済回数に設定することで、計画的な返済が可能です。
ただし、返済期間を長く設定すると、支払う利息額も増加する点には注意が必要です。
リボ払い(リボルビング払い)
リボ払いとは
クレジットカードの利用金額に関わらず、毎月の支払額が一定になる支払方法のことです。当初1回払いを選択した場合でも、定められた期限内であればリボ払いに変更できます。
分割払いに近いですが、返済回数は定められていません。支払金額のみ固定されている点が特徴です。
リボ払いの返済金額の決定方法は次の3つがあります。
残高スライド方式 | 借入残高に応じて月々の返済額が変動する方式 |
定額方式 | 決められた金額で返済する方式 |
定率方式 | 借入残高に一定の割合(定率)を乗じた金額を支払う方式 |
上記のうち、どの方式を採用しているかはキャッシングを提供する会社によって異なります。
リボルビング払いは毎月の返済額を抑えたい場合に役立つ返済方法です。一方で、返済回数が定められていないため、完済まで長期化しやすくなるというデメリットもあります。そのため、計画的に返済をおこなう必要があるでしょう。
返済方式②随時返済
随時返済とは、約定返済以外の任意のタイミングで返済する方法です。約定返済は必ず支払う必要があるのに対し、随時返済は任意でおこなう返済となります。
返済金額やタイミングも自由なので、追加で返済したい場合に活用できます。また、一括で返済することも可能です。
元銀行員・賀川
随時返済のメリットは、借入残高を減らすことで元金が減るため、今後の利息額を効率的に減らせる点にあります。ボーナスや臨時収入があった際など、資金に余裕ができたタイミングで活用すると良いでしょう。
キャッシングの際に理解しておくべき3つの注意点
注意点
- 申込時には必ず審査がおこなわれる
- 審査の結果によって限度額が設定される
- 返済に遅れると信用情報にその事実が登録される
特に、貸金業法に違反した業者(違法業者)がサービスを提供している可能性があるため注意が必要です。
注意点①申込時には必ず審査がおこなわれる
キャッシングをはじめとした借入では、申込時に必ず審査がおこなわれます。そのため、審査の結果によっては、キャッシングを利用できない可能性もあります。
キャッシングをおこなっている会社で「無審査」や「審査が甘い」ということはありません。キャッシングの審査は貸金業法によって義務付けられているだけでなく、細かい規制が存在します。「無審査で借入できる」といった表示のある会社は違法業社であるため、利用しないよう注意しましょう。
また、キャッシングの申込をおこなう前に審査のポイントを確認しておくと良いでしょう。
金融庁では貸金業法に違反している業者について公開しているため、不安な人は申込前に確認することが望ましいです。
注意点②審査の結果によって限度額が設定される
キャッシングでは審査の際に、限度額を決定します。申込者ごとに個別で設定されるため、公式サイトに記載されている融資上限額まで利用できるわけではありません。
たとえば、融資上限額が300万円のカードローンでも、実際に利用できる限度額は50万円となる場合があります。審査状況によっては希望額の融資が難しいケースもあるため注意しましょう。
元銀行員・賀川
キャッシングの利用限度額について、貸金業法では「総量規制」という基準が定められています。総量規制によると、借入額の合計は他の貸金業者を含めて本人の年収の1/3以内でなければなりません。そのため、利用限度額は総量規制を超えない範囲で設定されます。
注意点③返済に遅れると信用情報にその事実が登録される
キャッシングの約定返済に遅れてしまうと、延滞の事実が信用情報として登録されます。信用情報に延滞などの情報が登録されていると、今後の借入審査に影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
元銀行員・賀川
また、過去に債務整理や自己破産などをおこなっている場合は、その記録が「異動情報」として信用情報に登録されている可能性があります。異動情報があると審査に通過できない可能性が高まります。
なお、信用情報機関に開示請求をおこなうことで、自分の信用情報を確認できます。過去に延滞や債務整理の経験がある人で審査に不安がある場合は、申込前に確認しておくことが望ましいです。
キャッシングを上手に利用するポイント
キャッシングを上手に活用することで無理のない返済ができるだけでなく、利息を抑えることが可能です。具体的には、以下の4点を意識しましょう。
- 申込前に返済計画を立てる
- 無利息期間のあるキャッシングを活用する
- 必要最小限の利用にとどめる
- 余裕のある時に随時返済を活用する
ポイント①申込前に返済計画を立てる
キャッシングには借りすぎてしまうというデメリットがあるため、申込前に計画を立てておくことが重要です。計画を立てる際に役立つのがシミュレーションを利用することです。
元銀行員・賀川
各社の公式サイトでは「返済シミュレーション」が提供されています。実際の借入金額や返済期間などから月々の返済額や総支払額などを簡易的に算出してくれるサービスであるため、申込前に活用してみましょう。
上記のように、返済シミュレーションでは月々に支払う金額の目安がわかるため、計画を立てる際に役立ちます。
ポイント②無利息期間のあるキャッシングを活用する
無利息期間のあるキャッシングを活用することで、利息総額を抑えることが可能です。
無利息期間とは
カードローンのサービスのひとつで、契約日もしくは借入日から利息が発生しない一定期間をいいます。会社によって異なりますが、30日程度の期間が無利息となる場合が多くなります。
以下のように、対象期間中は利息を支払う必要がなく、返済額の全額を元金の返済に充てることができます。そのため、翌月以降に支払う利息も少しずつ少なくなり、総支払額を抑えられる点がメリットです。
無利息期間は大手消費者金融のカードローンを中心に提供されていることが多くなっています。大手消費者金融の無利息期間については、以下の表からご確認ください。
会社名 | 無利息期間 |
---|---|
アイフル | 初回契約日の翌日から30日間 |
アコム | 初回契約日の翌日から30日間 |
プロミス | 初回借入日の翌日から30日間 |
レイク | 初回契約日の翌日から 30日/60日/180日 ※60日、180日は条件あり |
アイフル「初回契約日の翌日から30日間」
- 金利(実質年率)
- 3.0~18.0%
- 借入限度額
- 800万円
- 融資スピード
- 最短18分
お申込み時間や審査状況によりご希望に添えない場合があります。
アイフルの無利息期間は「初回契約日の翌日から30日間」です。たとえば、8月31日に契約した場合9月1日〜9月30日までに発生する利息が0円となります。
アイフルはWEB申込の場合、最短20分で審査が完了するため、申込からすぐに借入したい場合に役立つでしょう。
アコム「初回契約日の翌日から30日間」
- 金利(実質年率)
- 3.0~18.0%
- 借入限度額
- 800万円
- 融資スピード
- 最短20分
※お申込時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。
アコムの無利息期間は「初回契約日の翌日から30日間」です。無利息期間の長さはアイフルと同様です。また、振込キャッシングにおいて楽天銀行の口座を指定すると最短10秒で振込が完了します。
また、それ以外の口座を指定した場合でも最短1分の対応が可能ですので、振込キャッシングを希望する人は検討してみましょう。
プロミス「初回借入日の翌日から30日間」
- 金利(実質年率)
- 4.5~17.8%
- 借入限度額
- 500万円
- 融資スピード
- 最短3分
※お申込み時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。
プロミスの無利息期間は「初回借入日の翌日から30日間」です。他の消費者金融とは異なり、初回の借入日が基準となります。
そのため、借入日と契約日が異なる場合に役立つでしょう。
プロミスの場合、契約日と初回借入日に間が空く場合に活用しやすいです。「今すぐ利用する予定はないけれど、カードローンを保有しておきたい」という人でも無利息期間が終了してしまうことはありません。
レイク【PR】「選べる無利息特典」
- 金利(実質年率)
- 4.5~18.0%
- 借入限度額
- 500万円
- 融資スピード
- WEBなら最短25分融資
レイクの無利息期間は、状況に合わせて以下のように選択可能です。
レイクの無利息期間
- 初回契約日の翌日から30日
- 初回契約日の翌日から60日
- 初回契約日の翌日から180日(借入金額5万円まで)
ただし、60日、180日の無利息期間を利用するためには以下の条件があるため注意が必要です。
借入期間 | 60日 | 180日 |
申込方法 | WEBのみ | WEB 自動契約機 電話 |
無利息が適用される金額 | 制限なし | 5万円まで |
契約金額(限度額) | 200万円まで | 200万円まで |
条件を満たすことで、他の消費者金融よりも長い無利息期間が適用される点が特徴です。
ポイント③必要最小限の利用にとどめる
キャッシングでは借入しすぎて返済が困難になる場合もあるため、必要最小限の利用に止めることが望ましいです。限度額のあるカードローン、クレジットカードでは希望額を最小限に抑えて申込すると使いすぎを防げます。
カードローンでは、利用状況に応じて増額申請が可能です。契約から一定期間経過している必要がありますが、審査に通過することで限度額が上がる可能性があります。そのため、最初は最低限の金額で申込をおこない、必要に応じて増額申請すると適切な金額で借入できるでしょう。
元銀行員・賀川
カードローンでは、利用状況に応じて増額申請が可能です。契約から一定期間経過している必要がありますが、審査に通過することで限度額が増加する可能性があります。
ポイント④余裕のある時に随時返済を活用する
キャッシングの返済は約定返済が一般的ですが、随時返済を活用すると利息額を減らせます。
利息は「元金、借入期間、金利」の乗数によって計算されるため、元金が減るほど利息を抑えられます。
臨時収入や貯蓄に余裕がある場合は、随時返済を検討してみましょう。
キャッシングに関するよくある質問
- Qキャッシングは誰でも利用できますか?
- A申込基準を満たさなければ利用できません。
たとえば、無職などの収入のない人は多くの金融機関の申込基準を満たしていないため、キャッシングの審査に通らないことがほとんどです。
- Qキャッシングは少額から借入できますか?
- Aキャッシングは少額から借入可能です。
利用限度額は1万円単位で設定されますが、借入額に関しては1,000円単位での利用が可能です。使い道も原則として自由なため、少額でお金が必要な場合に役立ちます。
- Qキャッシングの金利はどのように決まりますか?
- A審査結果に応じて決定されます。
金利は、借入限度額や審査結果によって左右されます。ただし、初回の金利は金融機関が設定している上限の金利になる傾向があります。
- Qキャッシングの審査では何を確認されますか?
- A収入や職業、現在の借入状況の審査を中心に審査がおこなわれます。
審査で重要視するポイントは「返済能力があるかどうか」「安定継続した収入が見込めるかどうか」です。そのため、さまざまな項目から返済能力の有無を審査します。
まとめ
キャッシングは他の借入に比べて審査時間が短い傾向にあり、資金の使い道が原則として自由という特徴があります。また、カードローンやクレジットカードなど、さまざまな方法で借入が可能です。それぞれ特徴が異なるため、自分に合った方法でキャッシングをおこなうことが望ましいでしょう。
ただし、借入後は元金と利息の合計額を返済する必要があります。借入金額や期間が長いほど利息が多くなるため、計画的な返済を心がけることが望ましいです。
なお、大手消費者金融では、プロミスの「初回借入日の翌日から30日間」やレイクの「選べる無利息特典」のように無利息期間を設定しているため、利息の軽減に役立ちます。自身の生活スタイルや好みを加味して検討してみてください。
この記事の監修者
元バンク・オブ・アメリカ日本における代表者兼東京支店副支店長
賀川 浩一
元バンク・オブ・アメリカ日本における代表者兼東京支店副支店長。現在は某イギリス系大手金融機関の日本における業務統括責任者。大学卒業後シティバンク、エヌ・エイ東京支店へ入社し、その後現在に至るまで、外資系金融機関やコンサルティング会社の業務・管理・企画部門においてCxO等の要職を歴任。様々な金融領域におけるグローバルな経験や知識を活かし、外資系金融会社の国内における発展に寄与。
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